平成19年度道南圏いきいき講演会開催

★趣旨 少子高齢化等の進行により急速に変化する今後の社会にあって、人々の間には、尊厳と生きがいのある、豊かな人生を創造していきたいという願いがとみに高まっています。
このような今日的な課題に応える一助になることを期待し、北海道社会福祉協議会のご支援をいただき、幅広い年齢層の参加を対象に、「講演と活動発表」を内容にした生涯学習の機会を設定することにしました


★主 催 北海道社会福祉協議会 ・主 管 道南圏シニアリーダー倶楽部

後 援 教育機関・福祉・報道関係等団体

★とき:平成19年10月17日(水)午後1時から
★ところ:函館市芸術ホール


★内容
(1) ・講演  演題『自分らしく生きる』〜ホスピスの現場から〜
        講師 医療法人敬仁会 函館おしま病院  理事長・院長   福徳雅章氏
(2) ・活動発表  テーマ「癒しの音色で、合奏の喜びを」
・発表者  函館北方マンドリン倶楽部と田中会員

★講師のプロフイル ◎ 函館市出身  ◎ 職歴・金沢医科大学血液免疫内科教室助手 ・金沢医科大学病院血液センター福部長 ・特別医療法人栄光会栄光病院勤務 ・平成14年2月医療法人敬仁会 函館おしま病院 理事長・院長 就任
◎ 地域における公職 ・日本ホスピス緩和ケア協会北海道支部幹事 ・道南在宅ケア研究会会長 ・金沢医科大学非常勤講師 ・函館居宅介護支援事業所連絡協議会顧問

★目的と開演状況 当日は、好天に恵まれたこと、各支援団体のご配慮により道南圏渡島管内、桧山管内、市内から地域高齢者大学や老人クラブ等で元気な高齢者が心身ともに健康で、生きがいを求めて地域社会参加や生涯学習社会で高齢者だから出来る豊かな経験・知識・技芸を次世代に伝承できる活動をします。
相互に情報提供を交換しながら道南圏域のネットワーク化を構築したいと願っています。約710名が参集された。


★講演内容は、テーマ『自分らしく生きる』〜ホスピスの現場から〜と言う視点から、スク―リンを活用して講演を、視聴覚で患者の病院生活や関係者のサポート支援実態等映像を通じて20才代・43才代・44才代・60才代など沢山の事例先生の実体験を語る。映写され方々の現状を具体的に語りながら、長時間に関わらず聴衆する皆様は真剣に聞き入り感動と感涙し尊厳の意味を再認識されました。

我が国の死因は、悪性癌が30%3人に1人か2人に1人が癌を患っている現実です。
時代背景から、がん対策予防法が法案化されています。その目的は、早期発見、早期治療が目的です。緩和医療、終末期医療の充実という項目があります。

ホスピスケアとの言葉は、従来から用いられ用語であった。
私達のホスピスケアとは、病院としての位置付けはどうなっているのか。病院の中にもそれぞれ条件があります。総合病院の病院棟では内科・外科・整形病棟等最先端技術で治療を屈指しています。しかし一般病棟は長期入院は不可能です。療養型病棟は看護師が少ないが(看護員が多く配置されている) いずれも長期入院は不可能で退院をさせられ在宅や老健施設に戻される現状です


緩和医療、終末期医療は、ホスピスケア病棟、末期がんの患者が病気に伴う苦痛を緩和する施設です。国の医療型施設基準は、ハードの部分(建物)基準が基本看護する人数の配置・入院室の配置・食事に関する調理室を整えるなどが求められる。
ホスピス施設は、きれいな箱もの(建物)ではない。どんな医療やどんな介護が問われるか、ホスピスと患者の関わりを話したい。肉体的治療も大切ですが、精神的な支援が求められる施設です。

身体的な苦痛を緩和するため、息苦しい、酸素吸入、点滴、マッサージなど。
全人的に理解する、肉体的な苦痛・精神的苦痛・社会的苦痛(経済的)など、スピリッチャル痛み 生きることの痛み、大切な人を失う苦しみ、家庭が心配、告知の有無を伝えられない、患者や家庭・家族を含めて治療すること(支える)がホスピスの考え方です。
全人的な治療をすることは、医療関係者の職業では不可能です。多くの職業や多くの人達(ボランティア等)が共同して支えることが大切です。
医者(治療関係者)は、看護する(チームワーク)、患者(本人)、家族支援、宗教家,ボランティア、ヘルパー、ケアマネージャー、みんなが同じ目線で考えて行動すること。


ホスピスの考え方は、一般病人や一般医療・高齢者医療・社会福祉などが共通して問題です。
すなわち、ホスピスは本来あるべき医療の原点であると思っています。

ホスピス治療は、最期の治療で入院に来たという考え方が多い、ホスピスとは死に行く場所という決意、覚悟して「生きている実感の持てる場所であって生きるための場所であると」考えて欲しい。
医者としても、ホスピスケアとして明解に答える言葉がない、痛みやスピリッチラム(霊的な痛み)

死に直面して、今まで自分で出来ていたことが何もできなくなってくる、そうしてまでも生きることは何だろう、生きる意味は価値観、苦しみの意味、苦しみの間、罪の意識、罪悪感、迷惑をかけてまで天国へ?
何ができるのか、受容と傾聴・共感 うなずきをする 自分を知って一人ではないと理解させる。
受容とは、患者の思いを受け止めること。傾聴とは、あるがままにうなずくこと。共感とは、
生きていることの喜ぶ姿勢や手を握る、少しづつ心を落ち着かせること。

後に先生が函館市内でホスピス医療を始める時に、その思いに共鳴し協力した元市議会議員(故人)との出会いと関わり地域でのホスピス医療の推奨に積極的に協力した方の人間関係の実例を語り、名誉や地位で活躍も大切ですが、それが無くても人の役に立つことは人間としてのホスピスの理解者ですと話され自分も多くの人達から多くの支援を受け、今後もホスピスケアを生涯の天職として勤めたいと決意をしました。
医師として求められる医療を、最先端の医療では救えない、その人達を支えていく医療を考えてホスピス患者や家族の方と出会って、この道を確信を持って進みます。


今後も一人でも多くの人達を支えたいと思います。
ホスピスとは、死を待つとか・死ぬ場所ではない。最後までその人らしく生きる場所である。
どう生きるのか考える場所と言うことを考えていただきたいし地域のため役立てればと思っています。
講演会では、講師自身(医者)の実体験を拝察し、「ホスピスのこころ」は「医」の原点であり、「ホスピスケアが目指すの」は……全人的な病気を治療する他、患者の精神的支えになることの、・精神的な支えとは………全ての痛みをやわらげるための様々な支援すること。

ご教授され、ただ敬意と感動しています。人間は生きる事の大切さや一人では生きられない、生かされているという感謝の心を失わないよう実感した。講師は特に医師としての使命感、責任感を持ち人間の生・死に関わり、今後もホスピスケア医療に専念し、人間の最期まで「自分らしく生きる」ことを提唱する社会貢献に、精力的な活躍し、鋭意ホスピスケア活動に生涯を沢山の人々に関わりたいと語ってくれた。
講演テーマ〈自分らしく生きる〉〜ホスピスの現場から〜
私達の一生涯に関わる生き方、〈自分らしく生きなければ〉という実感して 感激・共感する ご講演を拝聴して誠に有難うございました。

〈生きている間は生きられるという実感と力をもらえた〉と言う『自分らしく生きる』ことが。
私達は、生命の尊さを今一度考えて、一人一人が〈自分らしく生きる〉ことを熟知することが、 福徳先生からの会場の皆様方へ『生きる力と勇気』と思いやりのあるメッセージではないかと拝察いたしました。
長時間にわたりご指導いただきまして心より感謝とお礼を申し上げます。


道南圏シニアリーダー倶楽部 大山 勝男

参考 平成19年度道南圏いきいき講演会参加者からのアンケートより一部の声です。
  
・ホスピス、あまり知りませんでしたがお話しを聞いて先が明るくなりました。勉強して思いやりと感謝の気持を持って過ごしたいと感じました。マンドリン音楽は、苦しみも悲しみも癒して下ださり、生きる力を戴く事ができます。有難う御座いました。会を開いてくださった方々に感謝します。70才女性

・大変良い講演を聞かせていただき有難う御座いました。お話をして下さることもわかりやすく、涙の出る場面も幾度もあり胸の張りさける思いでした。私も病に負けず,今日の思い出を心に刻み残りの人生を自分らしく生きて行く元気が出来ました。命のある限り今日を忘れずに頑張ります。80才女性

・自分らしく生きる喜びとホスピスの色々の現場の写真を見させて戴き本当にありがたく思いました。私の夫もガンであの世に行ったので、先生のお話を聞いて胸が一杯になり、私も病気に負けずに生きていきます。70才女性
・最期の最期まで自分らしく生きるとはどんな事か深く考えさせられました。一患者さんの「病気には勝てないが、心には敗けない」の言葉には感銘を受けました。60才代男性


素晴らしいDVDを見せて頂き、スタッフの方々のご努力が伝わってきて感動しました。今日の講演を拝聴する事が出来たことを感謝いたします。有難う御座いました。先生のご高隅な姿勢が胸を打ち頭が下がりました。何時までもご健康でご活躍されます事を心からお祈り申し上げます。70才代女性

先生の講演とビデオを見て涙が止まりませんでした。函館市にこんな素晴らしいホスピス病院があることを始めて知りましたとても心強く感じました、福徳先生にはとても感動しました。これからも頑張って下さい。80才代女性

・今日のお話を聞いて大変感動しました。主人は大腸ガン(手術)した、13年過ぎました、2人3脚で頑張っています、主人はあの苦しみは二度したくないとのこと、先生のホスピスのお話を聞いて、今後お世話になると思います。本当に有難う御座いました。主人83才・私76才

・命の大切さを知らされ、自分は一人で生きてるのでなく、支えの中で生きていることを認識し人と人の交流を大切大事にして行くことの重要さを感じました。本日は色々と教えられ有難う御座いました福徳先生の益々のご活躍を祈念しています。70才代男性

・お話良く理解しました、今日までホスピス=人生の墓場と思っていましたが最後まで頑張っているスタッフの方々がいる事に感銘を受けました、有難う御座いました。70才代男性

・大変心を打たれました。涙が出て……自分も生きたいと思いました。80才代女性

・函館おしま病院のホスピス病棟の存在を始めて知りました。ホスピスの意義と患者一人一人に理想と思えるスタッフ皆様の行為に「すごいなァ」とただ驚きました。70才代女性