叙 勲 余 話

浜 田  愃

はからずも平成21年春の叙勲で瑞宝章を授与されました。

国家公務員である以上現役時代は、職務に専念したつもりですが、叙勲ともなれば全てかつての勤務先である函館税関の推薦によるものであり、関係職員のご支援・ご努力に感謝する外ありません。


三田共用会議所における財務省関係の勲記・勲章の伝達、皇居春秋の間における拝謁、記念写真の撮影等があり式典は滞りなく終了しましたが、この稿は本筋を離れ私的な事を交え叙勲にまつわるこぼれ話的な事を2,3記します。

その1 天皇陛下は大変です

最近、天皇陛下の健康を考慮し、公務負担を軽減したらという議論がありますが、今回の皇居での行事に参加して全くその通りと感じました。
風邪気味という事でしたが、陛下は数百人いる受章者・同伴者に笑顔で会釈され、体が不自由で車椅子を使用されている方々には一人ずつお声をかけておられました。
これが一日数回、十数日も続くと聞けばこれだけでも大変なこととご同情申し上げる次第

その2 経費が沢山かかります。

東京まで出て行って受章するのですから、それなりの経費は覚悟していましたが、結果は予算の大幅超過。交通費、宿泊代、衣装代、記念写真代等々思ったより多額の経費がかかりました。
一定の形式が決まっている枠内でのこととて、あまり値切りも効かず、年金生活者にはちょっと辛いものがありました。

その3 身障者へのサービス

これは全く私的なことですが、同伴者である妻が羽田空港で段差に足を取られ負傷、これは本人の不注意でやむを得ない事なのですが、以後歩行ままならず、その後電車の乗り降り、階段の昇降等あちこちで車椅子のお世話になりました。
今回の体験で我が国も公的サービスの面でずいぶん進歩したものと感心すると同時に、障害を持った方の苦労が良く判りました。
お世話になった皆さんは良く訓練され、仕事は手早く感じの良い人たちばかりで大変助かりました。
必要に迫られ普段はそんなこともないのに、公衆の面前で堂々と妻の手を握り締めて歩いたこともいい経験となりました。

そんなこんな色々ありましたが、お陰様で無事帰函できました。