平成20年度いきいき講演会

★ テーマ

 『今・大人たちは』
・講 師 
 宗教法人 正覚院住職
                           松村 俊昭 様
 (元江差町教育委員長)

・開催日  平成20年10月15日(水) 13時〜
・場 所七飯町文化センター
・主催者 北海道社会福祉協議会・七飯町教育委員会
・主 管 道南圏シニアリーダー倶楽部        ・参加者 約600名

・会長よりお礼のことば

この度、当倶楽部が主管しました『道南圏いきいき講演会』事業の実施に際し、住職で多忙なところ講師をお引受け戴いた松村俊昭様のご協力を賜り、衷心より厚くお礼申し上げます。
当日は、好天に恵まれたこと、各支援団体のご配慮により予想以上の参加者があり感謝しています。お蔭様で、遠路桧山管内のせたな町、乙部町・江差町や渡島管内の松前町・福島町・八雲町・森町・知内町・木古内町・北斗市・函館市等から約600名の参加者が講演を拝聴していただきましたことに、心より感謝とお礼を申し上げます。
主催者として北海道社会福祉協議会の多大なご支援を戴きまして有難うございました。また、会場の提供、活動発表等ご協力いただいた七飯町教育委員会様等多くの各諸団体のご後援、ご尽力に感謝を申し上げます。
この事業が地域老人大学等の共有の生涯学習する機会となりましたことは、当シニアリーダー倶楽部が実践活動の目標で、更に継続して期待される事業を推進いたします。
講演会も、松村先生自身の貴重な国際的ボランティア活動の実体験を拝察し、テーマ「今・大人たちは」の講演内容が(講演要旨別紙)、昨今の社会現象において凶悪犯罪、不正汚職、偽装談合、親子関係の欠落など人道上容認の出来ない、問題が惹起しています。本当に私たちの時代に次の世代に知的財産を継承することが大きな課題ではないでしょうか? 人間は生きることの大切さや一人では生きられない、生かされているという感謝の心を失わない人生観を実感し学びました。
松村先生は、特に宗教家(善導者)の使命感、責任感を持ち人間の生き方をご指導いただきました。
私たちは、与えられた余命を可能な限り社会貢献に精進したいと考えています。
元気幸齢者は《今》だから、老人力を発揮する主役です、幸齢者でも役割があります。講演を傾聴した参加者は、自らの生き方に気かついて感動し共感して好評を受けたものと思います。
当倶楽部メンバーも、高齢化していますが心身ともに健康です。生きがいを求めて地域社会参加や生涯学習社会で幸齢者だから出来る豊かな経験・知識・技芸を次世代に伝承できる活動をします。
相互に情報提供を交換して道南圏域のネットワーク化を構築したいと願っています。
今回の、『道南圏いきいき講演会』開催に際し、感謝とお礼を申し上げます。
更に、道南圏シニアリーダー倶楽部に温かいご厚情とご指導をお願い申し上げます。

                        道南圏シニアリーダー倶楽部 会長大山 勝男 

活動発表 「いつも心に青春の風を」

( 大中山老人大学ダンスチーム)             (大沼老人大学合唱クラブ)                (それいゆコーラス)


     講演の要旨から


 約600人の観衆を前に笑いのある話題を提供し、講演会では珍しい雰囲気で常に楽しく笑いその中に今日のテーマ『今・大人たちは』課題に適する、大人たちの役割、出会いの大切さ、培われた体験談・知恵等を次世代に伝える、今だからこそできるものを遺産「異参」として伝承することが大切でないでしょうか。
私は、この好天に恵まれ、江差町から美しい紅葉した絶景を眺めながら峠を越えて、本日の講演会に招かれて今日の約600人の人々とこのようなご縁(出会い)が出来たことは、私にとっても皆さんにとっても、今という時があるからです。
本日は、シニアの講演会(学ぶ)に沢山の方が集いました。私の話が可笑しかったら大きな声を出して笑って下さい、隣の方にも声をかけるも良し、また眠たければ眠って下さい多だし他人に迷惑をかけないで下さい。そして今日1日を笑って楽しく学んで下さい


 今日の我が国の現状を考えてみて見てください。高齢化社会で大変な時代になりましたね…… 人は自然に老いるので誰の責任でもない。…老いると高齢者とか老人とか暗いイメージですが高齢者という文字が悪いと思います。

・人生訓「かきくけこ」その流れの中で……自分はどう生きるか?
人間は、父と母から生命をいただき生きる課題を「生老病死」…人生の後半は楽しいこと嬉しいこと、幸なことを沢山創り出して老いること、知恵や財産を持った高齢者=幸齢者となることです。そして子供たちに何を残すかを考えること。遺産(精神的なもの・物質的なもの)……現在の我が国では遺産は残すことは不用なことです。
何を残すかは、私達大人がどんな生き方をしたか?人として、両親として生き様を正しく人生訓「かきくけこ」を次世代に伝承すること。たんに遺産(金や物)を残すことは人間性を失うグウタラ人間を創り出すだけです。
自分が蓄えた財産などは遺産にしないで使い果たした方が良い。それよりも自ら生きることを考えて学ぶこと、一生学び続けることの大切さを教育=共育ことが次世代の遺産にして欲しい。


・生き生き生きる(往く、往く・生きる) 往く、往くとは=行ったり来たり(往来・付き合いの意味)支え合うをして生きる社会が求められている。人々のつながり、人は自然から自分を創り、心と体を鍛える事が大切です。
最近は、近所付き合いより、病院に行くことが高齢者多いが…お寺には来ない。…爆笑…?日本人は宗教心が薄くなったのか…疑問…従って病院の情景は何時も満員で高齢者の女性達が多く楽しそうに会話…男性達、今日は暇だから病院に来たと片隅で腰をかけている姿…!


・日本人の多くは、仏教・神教なのに12月25日クリスマス、12月31日除夜の鐘、1月1日神社参拝と忙しい、坊さんもクリスマス・ケーキを買ってパーティー、除夜の鐘を衝き、神社参拝で新年を迎えて身を清め願い事は100円の賽銭であれもこれもお願いしているが多い……爆笑
新年を迎えて心身を清めることを…みそぎと言う…木古内神社での行事…みそぎ(ご神体を海で清める)…海は塩水だから〜海の無い山では塩を必ず供えて清めます。
日本の宗教は価値観ではなく自分の考え方、潔癖観を失い、考え方が汚れ卑怯な言葉が横行してしまった。今は自己中心主義の世相です。けがれるとは汚れを現す、その気が無いとも云う、木が枯れる。日本人は,精錬潔白な人種民族です。
私達は、元旦(新年)を迎えるために、清潔な衣服をまとい、神仏にお参りをするのが習慣が日本の生活文化です。
神様、仏様、人間様が同じ生活を共有するからまつりごとがあります。だから楽しく嬉しく元気になります。

★気…オーラ― 天気・元気・人気・本気・不景気等、心と体のバランスを保ち明るく生き生きと楽しく笑いの人生を!
・笑いの巧妙とは、腹式呼吸運動 セロトリンが体内細胞から分泌して健康に良いと言われている。そのために朝起きたら洗顔の時に鏡を見て笑いの表情をつくる、そして心で「おはよう」「感謝の心」で今日も1日楽しく笑って過ごす。鏡を見ることは、自分を見る・美しくすることが大切です。

朝起きたら明るい光を見ることでセロトリンが体内に分泌して心が明るく楽しくなる性質。

・夜になる暗くなり睡眠するため体内にメラトリンが分泌して眠りを誘う。暗い処が好きな性格
人間には、光・光線は重大な役割を果たしています。歌に『私の人生暗かったと…』過ぎたことは戻らないから忘れてしまうことの大切です。過ぎ去りことは、取り返しが出来ますか? 明日と言う未来も判りませんが? 今・現在が立っている場所 生きていること、老いること、心の病、体の病が人間は80〜90才代まで生きているから何等かの不具合が生じてもやむをえない。車検だって2年や3年で点検しています。……爆笑……人間80年も無病、息災では過ごせないのが人生です。

・笑いの原点…80才のおばあちゃん(姑)が水泳サークルに入会したと。…理由は、「三途の川」を泳いで渡るためと言う。それを聞いた(嫁)は……先生にターンの方法だけは教えないでねと云う……爆笑……このジョークは素晴らしいこと「永遠のテーマ」姑と嫁が笑いながらこのように会話ができる人間関係が「今求められ」ています。

★「三途の川」とは、過去(生涯)・現在(今の自分)・未来(夢・未来) 自分の生涯を70代、80代で孫に宗教観、倫理観を語ることが出来ますか。それが本当の遺産なのです。自分達の生き方を後世に伝える、教えることが大切です。生きることの幸せに感謝する心が今の課題です。
今・私たちは、人と人との関係で、良い知人・友人や、学ぶ友達を沢山持つこと、そして若者達に後姿を見せること、何を伝え・何を守る、今の世の中から何を排除し、何を伝え・残すのが良いのか? 荒廃した我が国を、今の大人たちは子供達に後姿を見せられますか?


・今の政治家、総理大臣や組織の重責な役職の無責任さリーダーとしての資質が問われています。
今大人たちは、子供の前に立つスタンスが崩壊している。謝罪の態度…罪の償いない姿勢等
・親子関係で生命の滅亡、金のために命を失う、金銭の世の中にしてしまい…金…金…!

・本来、生物の中で同族の生き方・同族の命を失うことはあり得ない。肉親を・自分の子供を殺す
我が国は恐ろしい国になり、今・大人が若い人たちに、人間はどう生きなければならないのか?
日本人として何を守り、残すかを大切なことを明示することが必要です。私達の実体験したことを
次世代にどう伝えていくか? 便利な時代になり大切なものを失っています。便利性がある時にふと考えたほうが良い。例えば日本人として恥かしさを失った。仁義・精錬潔癖、卑しい考え方、やってはいけない事、やらせなくてはならない事……現代風に、我がまま〜自由〜平等〜礼節・尊敬。

★架けた恩は水に流し‥…架けられた恩は岩に刻む 日本民族(大和民族)の心、子供達に伝承することが大切です。
・ヒンズー教には、親に教育されない人は、時間に教育されるとの教えが在ります。
家庭の中で子供に親として、親戚、近所の交わり方を教えておかなければ、子供は時間と言う流れの中で、恥を掻きながら体得して大人になって行く、だから伝える必要なことは、親・大人が子供に次の世代に継承することでしょう。
現代社会では学校が苦労している、モンスターペアレントが学校教育を阻害している。事例は沢山あります。「給食費の未払い、自分の子供に関する学校に苦言、親が自己中心的発想で問題を起こす」
・学校=合校 家庭、学校・地域が……連携体制を確立すること。
・教育=共育(狂育はだめ)と文字を変えた方が良い。コミニュテイーとして、シニアの役割
道徳心→イスラム・ユダヤ教は、神様が絶対的決定をすると言う価値観があるだから信仰心が強い
・道徳教育→日本は宗教的背景で価値観を持つ 宗派教育はしてはいけないが宗教観教育はきちんと理解をさせるべきではないか、このままではふぬけになってしまう。
 

◎スリランカでの寺子屋活動状況から
学校を建てる活動をしている 10キロ以上も遠路を歩いて来る 言葉が習えることは素晴らしい資格取得と同じ事です、だから眼がきらきら輝いている 貧しい中にも 生きる 猛くましさがある。
学ぶことに目が澄んでいる 日本人は目の美しさを失っている…学ぶ意欲に欠けている。
・今スリランカでは津波被害の後に10棟の家を建設して、1人のお母さんに10人の孤児を育て家庭・家族になっています。100人のファミリーが出来ます、それらの支援活動をしています。


★生きる力→人生を幸に老いる、30代〜40代……人生の準備期間(厄年の意味は男42才=世に出る年、女33才肉体的に変化のある年)以前は平均寿命は50代〜60才代であったが少子高齢化時代の今は70代〜80才代となり長寿社会へと推移しています。従って人生80年とすれば30代〜40才代まで大いなる旅をせよ・大いなる人と出会え・大いなる本を読め………学ぶこと
・今日のような機会(いきいき講演会)があるから、多くの皆様とお会いが出来て私の話を聴いてくれて楽しく笑い隣りの人とも会話が出来ることが大切です.

50代〜60才代は基本的に人間の活動期……学んだことを実践活動する
・60代〜70才代は良く学び、良い友達と語り合うこと……その後の人生を左右する 
この時期に価値観が決まる……自分の力(実体験)を発揮して地域活動に知恵を出すことです。
・80代〜90才は人生の総まとめ……本当の高(幸)齢者として尊敬されるか,どうか? 決まる
60才代の定年までは心身ともに健康で最大の能力を発揮して企業や社会的貢献をし活き活きと働き続けた年代でした。その年代を過ぎると自分の人生は誰にへつらうこともなく,自由に生きられます。……年金は少ないが受給され、子供は自立し、小さくても家を建て、云いたい事など
今こそ人生の価値観を問われている時代でどう生きるのか……?


★兎と亀の話…日本での物語は亀は休む事もなく努力したから最後に目的を果たしたと言う価値観ですが。インドの人達は、亀は兎に勝つ事は絶対にない、理屈からして兎は早いものと言う現実があり、亀が勝つ訳が無い,兎は途中で寝ていたと言うと亀が卑怯だと言う価値観。
日本での価値観は、「継続は力なり」亀を褒める「戦略」努力は積み重ねるがら崩れてしまう。


◇長寿の社会〜次世代に「生きる力・生命を残す」ことのできる長老と尊敬される努力をしたい。

◆老にしてならずんば荘に学べ、荘にしてならずんば老に学べ、老にして学ばんば朽ちて消えず

▲ 講師自らの生き方……人生は多種多様な考え方,生き方があります


出家して人生観30年を幸に人々の支えられて生かされています。戦争と言う時代を経て、今の親に4才から育てられ江差町の現在の曹洞宗正覚院に住み恩と愛を受けた母の愛(昭和21年)から母に厳しく育てられて母に感謝している……自分の心境を語る。住職となり30年以上尊敬する宗教詩人 坂村臣民 時の朗読する


・日の昇るにも   手を合わさず    月の沈むにも  心ひかれず
あくせくとして  一世を終えし人の    いかに多きことぞ


・道のべに花咲けど見ず   梢に鳥鳴けど聞かず 
   せかせかとして      過ぎゆく人の  いかに多きことぞ


・二度とないこの人生を   いかに生き   いかに死するか  
耳かたむけることもなく  うかうかとして
老いたる人の  いかに多きことぞ


・川の流れにも   風の音にも     告げ給う声のあることを
知ろうともせず  金に名誉に地位に  狂奔(きょうほん)し終わる人の 
   いかに多きことぞ


★ 生死(しょう し)事大(じだい)無常 迅速(じんそく)
時人を待たず噫々(ああ)

                  
坂村真民 作


平成20年11月15日 事務局