月例会6月 講 話 

テーマ 樹木の手入れと育て方

高橋菊三郎 会員

★ 樹木の剪定を始めるにあたって。
・樹木の性質を知ること
樹木を丈夫に育てることを心がけましょう。そのためには、その木の性質を知ることです。
@ 乾燥を好むもの  A 多湿を好むもの  B 日当たりを好むもの  C 日陰を好むもの  D 花の着く場所
花芽のできる時期など木によって違います。性質はその樹木に聞くことが早道です。そのために樹木の観察が大切です。
・樹木の養分は葉で作る
樹木の葉は気孔で作用するほか樹木体内の温度を調整するため、動物が汗をかくのと同様に水分を蒸発させる蒸発作用を行っています.更に大切なこととして葉は根から吸収した水分を大気中の炭酸ガスと太陽光線によって炭水化物を作り上げることです。これが植物の栄養となるのです。いわば、栄養分を作る工場の役割を果たすものといえるでしょう。このことからも、葉の重要なことがお判りいただけると思います。植物を丈夫に育てるためには葉を多くつけることが必要です。しかしあまり葉が多くなり過ぎると当然混みすぎて太陽の当たらない部分ができてしまいます。そのうえ風通しが悪くなることから、病気や害虫の発生も多くなります。そこで混みすぎないように枝をすかし、日当たり、風通しをはかる必要があります。

★ 整枝。剪定とはどんな作業か
整枝しは、庭木の幹・枝を整えることです。
庭木の特長をそこなうことなく、目的にあった樹形や枝ぶりをつくり出すことです。剪定とは、整枝のために枝を切ることをいいます。

・整枝・剪定の目的
@ 樹形を維持する。A 庭木の成長を調和する。B 枝葉を多くする。C 花つきをよくする。D 老化枝の若返りをはかる。E 樹形をつくり替える。F 病虫害予防

★ 依頼された家によくある樹木(函館周辺)
@ 針葉樹(葉が針状となっているもの)……クロマツ、ゴヨウマツ、イチイ(オンコ)、エゾマツ、アスナロ、ニオイヒバ等
A 常緑広葉樹(冬でも葉が落ちないもの)……アオキ、クサツゲ、ナンテン、マサキ、ヤツデ、ヒイラギ、サザンカ、ヤマツツジ等
B 落葉広葉樹(冬に葉を落とすもの)……イボタ、シラカバ、ウツギ、ムクゲ、サルスベリ、コブシ、アジサイ、レンギョウ、サクラ、エニシダ、ネムノキ、ユキヤナギ、ウメ、ヤマブキ、ウメモドキ等
C つる物……アケビ、フジ、ブドウ、ノウゼンカズラ等 
D その他……ササ類、タケ類、シダ類

★ 剪定の基本(剪定する枝の名称)…不要枝は元から切る
@ 徒長枝(幹や主枝から強く長く伸びる枝)
A 重なり枝(同じ方向に重なったり、平行する枝など)
B 逆さ枝(枝先から幹の方向へ伸びる枝)
C からみ枝(隣の枝と互いにからみ合う枝)
D ふところ枝(幹の近い太枝にでる枝)
E 幹ぶき枝(余分に幹から出る枝)
F ひこばえ(根元から出る枝)
G 車枝(左右に出る枝)
H 立ち枝(幹に平行して直立する枝)
I 下がり枝(地面に向って下垂する枝)

★ フジの剪定について
★ 竹の剪定仕立て方
★ シダレものの仕立て方
★ 花後の花木の手入れ方について